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こちらは「音楽旅館」としてスタート致しました旧館でお出しして参りました料理の記録です。
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クラシックはお好き? パートV
「南の想い」−高木綾子

at 2001 04/02 22:38

デビューからいきなり2作同時リリースで登場した高木綾子は、クラシックとポピュラー(ユーミンのカバー集)というそれぞれのコンセプトを見事に吹き分けて、新進フルート奏者として注目を浴びた。昨夏にも同様に2作同時リリースで、ポピュラーの方はカーペンターズを取り上げて、さらに広範囲の人々に注目されるようになった。
ソロ・リサイタルやDENONレーベル(日本コロムビアのクラシック音楽レーベル)のCD購入特典イベントなど、演奏活動も積極的に行うようになり、ファンクラブまで結成されたようだ。また、所属レーベルのイメージ・キャラクターにも起用されたので、名前は知らなくてもCD店のポスターやチラシなどで彼女の顔を見かけた方もいるのではないでしょうか?

高木綾子HPCDデビュー1周年にタイミング良くリリースされた高木綾子の新作は、英題の“LATIN AMERICA”からも明らかなように、意表を突いたラテン音楽集だった。日系ブラジル人かと見間違うほどにラテン・アメリカの衣装を着こなしたジャケット写真にも合点が行く会心作だ。
そろそろ2作同時リリースという発表形態を止めるだろうとは予想していた。その場合、クラシックで行くか、ポピュラーで行くか、全く予測がつかなかった。その両面で異なる魅力を発揮していたからだ。
1枚のアルバムに両方の魅力を盛り込むために、北半球に比べてクラシックとポピュラーの垣根が低い南米音楽に題材を求めたことで、私が勝手に懸念していた問題はあっけなく解決してしまった。彼女はスタッフにも恵まれている。

全16曲中3曲がアントニオ・カルロス・ジョビンの作品である以外は、すべて異なる作者の作品が並んだ。そんなバラエティに富んだ選曲であるにもかかわらず、すべて高木綾子のカラーに染め上げられている。クラシックを聞くときのような気負いを必要とせず、ポピュラーを聞くときの(いい意味での)単調さを感じる事も無く、ある種のヒーリング・ミュージックのような心地良さで聞ける。アレンジャーのフェビアン・レザ・パネ氏の手腕によるものだろう。
スタッフ、アレンジャー、さらに共演の伴奏者等に支えられ、彼女は伸びやかにフルートを吹く。ライナーに寄せられた彼女のコメントには、関係者それぞれの本作への想いがあったからこそ、伸び伸びと演奏できたという感謝と喜びの気持ちが表れていて、それはそのまま聞き手に伝わってくる。

“ALL FOR YOU” by Janet Jackson

at 2001 04/12 01:20

昨年の傑作シングル“Doesn’t Really Matter”のおかげで、否が応でも期待してしまう新曲は、真っ昼間から桜吹雪の下で聞いてもOKな軽快なナンバー(もう遅いか!)。 まもなくドロップされる同名アルバムからの先行シングル・カットです。またしても一聴して気に入ってしまいました。
アメリカの音楽業界誌BILLBOARDがHOT100の集計基準を大改訂して、シングル盤が発売されていなくても、ラジオのエアプレイだけでランクインできるようになってから、チャート・ファンの間では物議を醸し出していますが、エアプレイだけで14位に飛び込んできたというのはとにかく快挙でしょう。 今やTLCを凌ぐ人気のDestiny’s Childのニュー・アルバムからの先行カット“Survivor”が同じ週に43位初登場だったので、アメリカ国民の期待の大きさが窺い知れる(大袈裟?)というものです。 4月14日付ではHOT100とR&Bの両チャートで見事1位に輝きました。
チャート・アクションも気になりますが、輸入盤シングルが軒並み売り切れという情報に、あわてて先日購入しました。国内盤と同じ収録内容なので、当然の購買心理が働いたということでしょう。

さて、肝心の曲ですが、JanetJam & Lewisの作・プロデュースというおなじみの布陣。 ただし、ラジオでヘヴィー・ローテイションになっているヴァージョン(Radio Edit)には、さらにWayne Garfield/David Romani/Mauro Malavasiの3人が作者に名を連ねています。 このヴァージョンのリズム・トラックにCHANGE“The Glow Of Love”(1980)が使われているからです。 Janetのヴァージョンでも明らかなように、当時流行っていたCHIC系の軽やかなダンス・ナンバーです。

CHANGEは、イタリア人プロデューサーJacques Fred Petrusによって集められたスタジオ・ミュージシャン達によるソウル・グループ。 そして、当時のリード・ヴォーカリストはLuther Vandross。 彼が翌年(1981)“Never Too Mcuh”で輝かしいソロ・キャリアに踏み出す直前のアルバムが、“Glow Of Love”だったという訳です。
Luther Vandrossと言えば、92年の“Mo’Money”のサントラでは、Janetとのデュエットで、“The Best Things In Life Are Free”をヒットさせました。 さらに、CHANGEのアルバム“Change Of Heart”(1984)では、Jam & Lewisがプロデュースに当っていました。とても因縁めいたものを感じさせる選曲です。

このシングルには、他に4つのリミックス・ヴァージョンが収録されていて、テクノが好きな人には(Thunderpuss Club Mix)(Rock Mix)あたりも楽しんでもらえると思います。 個人的には、ヴォーカル・パートはそのままに、リズム・トラックをそっくり取り替えてしまった(DJ Quik Remix)が一番のお気に入りです。 また、若干スロー・ダウンさせてファンキーなグルーヴ感を持たせた(Top Heavy Remix)は、夜桜見物(だからもう時期外れだって!)に向いているかもしれません。

こうなると次はアルバムが待ち遠しい訳ですが、ニュー・アルバムの収録曲(輸入盤=4/24ドロップ)は以下の通り。 世界に先駆けて(?)発売(4/16ドロップ予定)される国内盤には、例によってボーナス・トラックが追加される模様。
  1. Intro
  2. You Ain't Right
  3. All For You
  4. 2wayforyou (Interlude)
  5. Come On Get Up
  6. When We Oooo
  7. China Love
  8. Love Scene (Ooh Baby)
  9. Would You Mind
 10. Lame (Interlude)
 11. Trust A Try
 12. Clouds (Interlude)
 13. Son Of A Gun (I Betcha Think This Song Is About You) - With Carly Simon
 14. Truth
 15. Theory (Interlude)
 16. Someone To Call My Lover
 17. Feels So Right
 18. Doesn't Really Matter
 19. Better Days
 20. Outro
前作“The Velvet Rope”ではJoni Mitchellをサンプリングしていたが、上記の表記から判断すると、 今作ではCarly Simonが客演している模様。さらに( )内から判断すると、「うつろな愛」をモチーフにした曲のようです。 もう期待に胸が膨らみすぎて、・・・・オチはご想像にお任せします。

“BREAKOUT” presented by MEANTIME

at 2001 04/16 02:06

昨日は洋楽愛聴家サークル(?)meantimeの公式行事”Break-Out”に参加しました。

某レコード会社の会議室が利用できなくなってから、毎回レンタル・ルームやカラオケ・ルームで開催されるようになり、機関紙のWEB化(=廃刊)と共に参加者減少傾向が続いていました。 しかし、今回は2000年にBillboard Hot 100チャートでTop 40入りした曲全部を対象にした年間投票の結果発表も行われたため、遠く名古屋・静岡から駆けつけた人もいました。 夜の飲み会から参加した人もいて、最終的には14人くらいになりました。

前半は恒例の「最近ヒット曲」聞き捲り。どういうことかというと、今回は12-1月にHot 100のTop 40にランクインした新曲を全部聞くから、「最新」ではないのです。 後半は年間投票の結果発表。全貌は下記のサイトでご覧になれます。
http://www.meantime-jp.com/

この日は夜にStay Up Lateもあったのですが、参加してもすぐに寝てしまいそうだったので、パスしました。 遠方から来た人には、同時開催の方が好都合ですが、私にはちょっとね。
飲み会も1次会だけ参加して、閉店間際のCD店でジャネットのニュー・アルバムをGETして、帰路に着きました。

時事問題〜最新二作 from 梁詠h(Gigi Leung)

at 2001 04/20 15:44

Gigiのニュー・アルバムを最初に見かけたのは、2月下旬だったと思う。 ひとつは、一般的なCDケースが2枚くらい入りそうな分厚い紙箱入り。 もうひとつは、厚さはケース1枚分程度だが、出回り始めた頃の輸入CDが入っていたような縦長の箱入り。 前者は、香港盤でcopyright2000年の「花火」というアルバム。 後者は、台湾盤でcopyright2001年の「Amour」というアルバム。
一見してわかったのは、どちらにも「花火」という曲が入っているということ。 さらに、香港盤には2タイプあって、一方はヴィデオ・クリップが4曲収められたBonus VCD付きで、他方は輸入業者のシールが貼ってあって不可確認。 何曲重複収録されているのか確認できぬまま、3月になって若干安く買える期間があったので、台湾盤とVCD付きの香港盤を買った。

何度か交互に聞いたが、立て続けに聞いた訳ではなかったので、重複曲数がなかなかわからないまま、ひと月が過ぎてしまった。 このままでは埒があかないので、PCとCDプレーヤーを用意して、1曲ずつ聞き比べる事にした。 結果は、「花火」ともう1曲だけ。私の耳も随分老化したものだ。
その「もう1曲」の方は、香港盤では「一年之計」、台湾盤では「全年無休」と異なるタイトルだったが、サウンドは一致した。 ただし、タイトルが違うということは、私には全く区別がつかないが、北京語と広東語という違いがあるのかもしれない。 まあ、収録曲がかなり違ったように、外箱の形から付録に至るまで、アートワークも全く別のコンセプトだったので、両方買っても支障はなかった訳だ。 こうして一応GIGI問題は解決した。

今これをお読みになっている皆さんには何とも滑稽な話だろうが、新ネタがアップできない代わりに、 Janet Jacksonの新曲のレビューを何度か書き直したり、馬鹿げた注意文でお茶を濁しながら、今日まで食い繋いで来たのである。 ご来館者の何パーセントが「業務日誌」を読んでくれているのかわからないが、音楽旅館と銘打っている以上は何らかのお客様サービスはしなければならないと、これでも努力したつもりだ。
結局2枚とも取り上げようかと思ったのだが、比較的頻繁に聞いている香港盤を重点的に褒めてみたい。 ということで、改めて聞き返すため、もうしばらくお待ち頂きたい。悪しからず。

香港映画「玻璃(ガラス)の城」(再掲載)

at 2001 04/20 20:26

≪ご注意≫
テレビ放映(4/22 3:00p.m.〜 NHK教育テレビ)を記念して、以下に2000年8月に掲載した内容を転載致しました。 あらすじがバレバレですが、ご視聴の参考になれば幸いです。


東京のど真ん中、神田神保町の岩波ホールで映画を見ました。 香港映画の「玻璃(ガラス)の城」です。(これは昨年8月の事です、念のため。)
主要スタッフは、メイベル・チャン監督、アレックス・ロー製作・脚本、ディック・リー音楽という布陣。 主役は香港四天王の一人レオン・ライと「色情男女」で女優として名をあげたスー・チー。 さらに、それぞれの子供役という設定で、ダニエル・ウーとニコラ・チャンがもうひとつのラヴ・ストーリーを展開していきます。

映画は、1997年の元旦にロンドンで、中国人の男女が自動車事故で死亡するところからはじまります。 男の息子と女の娘が、遺体を確認に来て、出会います。 自分の親が見知らぬ異性と香港に共同で家を購入して暮らしていたことを知らされて、互いに相手の親を非難し合います。
死んだ二人の家を処分するため、若い二人は香港にやって来ます。 正確には、娘の方は香港在住で、死んだ母親と同じ大学で寄宿生活を送っていました。 死んだ親達の共通の友人である弁護士のところへ、家の処分のことを相談しに行き、亡き親の学生時代からの話を聞かされます。
はじめは親同士の不倫に強い嫌悪感を抱いて、互いに反駁していた若い二人は、親同士がどれほど深い絆で結ばれていたかを理解するようになり、 運命に引き裂かれて違う相手と結婚をして、自分達が生まれたことを知っていきます。そして、次第に惹かれ合っていきます。
香港が中国に返還される夜、その弁護士の計らいで、若い二人はそれぞれの親の遺骨を同じ花火の玉に込めて、打ち上げてもらいます。

親子2代に渡る恋愛の舞台となった大学は、実際には香港大学で、メイベル・チャンとアレックス・ローの母校です。 ここの女子寄宿舎が老朽化して取り壊されることになったので、それを何らかの形で映像に残そうと思い立ったことから、この映画が出来たそうです。

そして、ようやく音楽の話題になります。
親同士が住んでいた家には、2人の思い出の品々が20年の歳月を経ても大切に残されていて、 その中にブラザース・フォーのLPがありました。遺品の整理をしていた息子が何気なくかけた曲は、”Try To Remember”。 男の方が好きだった曲で、映画の中で重要な役割を果たしていたんです。
男が学生運動に参加して留置場に入れられた時、女の方が面会に行って、その歌を自分で歌って録音したテープを聞かせたり、・・・・ 20年後に再会した際、一緒に食事をした生演奏をやっているレストランで、男が女にギターの弾き語りで歌って聞かせたり、・・・・ 切ない歌詞が、道徳的には許されない二人の愛の純粋さを代弁します。

香港映画って、以前はアクションものか、やたらとテンポの速いコメディか、香港独特の特撮を駆使した幽霊ものの印象しかなかったんですが、 こういう凝った構成の恋愛ものもあるんですね。

誰か、レオン・ライのお奨めの曲やアルバム、出演作品を教えて頂けませんか? それから、スー・チーの出演作品や写真集・ビデオの情報も、同時募集中です。

「花火」 by 梁詠h(Gigi Leung)

at 2001 04/28 00:08

★『おきゃんでない荻野目洋子』というのが、私のGigiに対する第一印象だった。 この香港盤ニュー・アルバムのオマケVCDに収録されている「一年之計」のビデオ・クリップを見て、この印象はさらに強くなった。 2人の女性ダンサーを従えて踊る彼女は、(振り付けのせいもあるが)今ひとつメリハリに欠ける。 逆にきちんとメリハリを付けて踊ったら、アイドル歌手だった頃の荻野目洋子のイメージそのものだと思う。

★しかし、清楚な容姿とは裏腹に、映画「君といた永遠(とわ)」では、金城武を相手に女性上位のベッドシーンまで演じている (ただし、ヌードではない)。だから、表題曲「花火」のモノクロ・クリップでの彼女の表情が、島村かおり(脱線するが、 島村かおりはヌード写真集を出し過ぎて、女優としてステイタスを築き損ねたと思う)に似ていると思ったのは、あながち不適切ではないだろう。 そんな彼女の歌声は、歌手としては平凡過ぎて、視覚的な要素を伴わないと聞いてみたいと思わないかもしれない。

★そういうわけだから、バックの演奏・アレンジも時代の最先端から2歩も3歩も後を行く王道ポップス路線だ。 ファンの反感を買うことを承知で書くが、J−POP同様に英米の音楽の模倣と取れるものばかりだ。 しかし、これがGigiの歌声を引き立てるのに、十分功を奏していると思う。

★だから、私はこのアルバムが好きだ。常に新しいサウンドを求めて切磋琢磨している英米の音楽の強引さに疲れた私には、 一種のカンフル剤のような効果があるようだ。同時に買った台湾盤「Amour」がスローバラード調の曲が多く、 4曲め以降はどれも同じような印象を受ける構成なのに比べれば、2・5・9曲めにアップテンポな曲を配した香港盤は飽きさせない。 客観的に見ても、及第点の完成度だろう。

★中でも特に気に入ったのは、7曲め「???」(文字化けするため掲載不可。多分ニーハオだと思う)だ。 軽やかなアコースティック・ギターのリズムに導かれるミディアムテンポの曲だ。 スタイル・カウンシルの“You're The Best Thing”を思い浮かべてしまった。 しかし、セカンド・ヴァースから入ってくるホーンはバート・バカラック風で、曲全体の印象はスイング・アウト・シスターだ。

★念のために付け加えておくが、表題曲「花火」はGigiの作詞作曲だ。したがって、aikoとは同名異曲だ。 香港盤はこの曲で幕を閉じるが、台湾盤はこれがトップだ。さらに付け加えておくと、台湾盤の2曲めがその表題曲で、現地でのCMソングらしい。